フーちゃんは、大の車嫌いだった。うちに来て2年近くたって、市内をちょこちょこ走る分には平気になったけれども、当初は車に乗った途端、震えが止まらず、よだれたらたら、ひどいときには車内で嘔吐。克服するためにいろいろなことを試してみた。以下はその悪戦苦闘だ。
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フーちゃん人生最大の受難の日
浜松のブリーダーさんから譲り受けて九州まで連れて帰ったのが2016年のクリスマスの日だった。フーちゃんは、この日のことがトラウマになっていて、車嫌いになったのではないかと推測している。
私たち夫婦と妻の姉夫婦、さらに甥2人の6人で受け取りに行った。それまで親犬や仲間の子犬たちと犬舎でのびのびと暮らしていたのに、いきなり見知らぬ大人たちに囲まれ、クレートに押し込まれて車に乗せられ、どこに連れて行かれるのか訳も分からない状態だったのだろう。中部国際空港に向かう車中で、クレートの中はよだれでいっぱい。オシッコを漏らしたのではないかと間違うほどの量だった。途中立ち寄ったサービスエリアで、作業場の水道を借りて、クレートを水洗いする。快く水道を貸してくれた従業員の方に感謝。
空港に到着して終わりではない。中部国際空港から大分空港まで飛行機で1時間半。飛行機を降りてからも、空港から自宅まで2時間弱車に揺られてやっと到着。空港から自宅までの間、ババ様がずっとフーちゃんに優しく話しかけ続けた。そのせいで、フーちゃんもやっと落ち着いた様子だったけれども、呼吸はまだ速い。はあはあ言っている。
それからというもの、車に乗る度に、震え、よだれ、嘔吐に悩まされることになる。
子犬を受け取りに行くときには、子犬の負担が最小限になるように、落ち着いた雰囲気で迎えに行くべきだ。
車をリーフにした
まだ車嫌いだと分かっていないときの話だけれども、振動が少なく静かだということで、10年乗った初代ノートからリーフに買い替えることにした。フーちゃんが我が家にやってきた2日後に納車。少しでもペットに優しくと考えてのことだ。エンジンの振動やガソリン臭がなくてペットに優しいという口コミもあったのだけれど、結論から言うと、フーちゃんの場合、全く効果はなかった。
車に慣れさせる
犬のしつけ本やネットでは、「車に乗ると楽しいことがある」という経験を増やしていくことが大切だと書いてある。慣れさせるには、根気が必要だった。
フーちゃんは全く車慣れしない
車に乗せた途端、震え出す。大好物のおやつを与えても、全く目に入らない。食べようとしない。大好きなおもちゃも与えてみたが、車の中では見向きもしない。「お座りして」「大丈夫だから寝てなさい」などと声をかけてみるが、全くこちらの声が聞こえないようだ。ときどき短かい距離を車で移動し、散歩に行くけれども、一向に慣れる気配がない。車の中でずっと外を見て、ハアハア言いながらよだれを垂らしている。
トリマーさんの助言で、毎日車で散歩に行くことに
車に全く乗せないというわけにも行かず、どうしたものか困って、1歳を過ぎた頃トリマーのMさん相談すると
とのこと。それから毎日1回車で散歩に出かけることに。少しずつ距離を伸ばしていき、全くハアハア言わずに移動できる日も出てきた。だんだん慣れてきているようだが、それでも車に乗った途端震え出す日もあった。
半分諦めの気分だった。それでも少しずつ前進しているのだからと根気よく車に乗せるようにしていた。すると1年近くすると、症状が軽くなってきた。近距離限定だけれども、いつも通る道では症状が出なくなってきた。それでも遠距離だと察するともうダメ。体が震えだし、よだれたらたら。
酔い止めも試してみた。
カーロップ
「カーロップ」という製品も試してみた。効果がなかったという口コミもあるけれども、効果があったという口コミも多かった。値段も高くないし、ダメ元で試してみた。結果から言うと、フーちゃんの場合は効果がなかった。うーん、フーちゃんの場合は、おそらくあの「最悪の日」がトラウマになっているのだろうから、酔い止めが効かないのかもしれない。体の異変で車嫌いの場合は効果があるかもしれないので、ダメ元で試してみる価値はあるかもしれない。
獣医さんから酔い止めの薬を処方してもらう
今年の夏、九州から大阪までフェリーを利用して、浜松まで車で往復した。一週間で走行した距離は900㎞。2歳を超えた頃から、近い距離だと車酔いの症状があまり出なくなっていたけれども、1時間を越えるドライブではまだまだ震えやよだれといった症状が出る。獣医さんにお願いして、酔い止めの薬を処方してもらった。車だけではなく、船酔いの心配もある。
自宅から別府国際観光港まで1時間ちょっと。回り道をしたので、1時間半かかった。酔い止めを飲んだフーちゃん、しかし効果はなかった。上に書いたように、フーちゃんの場合は、「トラウマ」が原因なので酔い止めは効かないのかも。
車嫌い克服に向けて、根気が大切
フーちゃん、車の中で寝る
浜松から大阪へと向かう際には、薬は飲ませなかったけれども、なんとクレートの中で寝ているではないか。それまでは、車内で寝るどころか、お座りさえもせずに、ずっと外を見ているのが常だった。車の中で寝るなんて初めてのことだった。無理やり遠距離を移動させ、車の移動になれたのだろうか。自宅に戻ってから、ちょっと遠出をするときにも、以前ほど症状が激しくなくなってきた。
フーちゃん、自分から車に飛び乗る
車に自分から乗り込む犬を見てずっとうらやましく思っていた。うちのフーちゃんにはそんな日はやってこないと諦めていた。9月のある日、ババ様がスーパーで買い物をしているとき、駐車場で待っていた。駐車場に入ってくる車や出て行く車が多く、危険なのでまた車に乗せようと、後部ドアを開けた瞬間、フーちゃんが車にジャンプして飛び乗ったのだ。なぜ大嫌いな車に自分から飛び乗ったか、さっぱり分からないけれども、今では後部座席のドアを開けると自分から飛び乗るようになってきた。
まとめ
うちに来て、もうすぐ2年になろうとしている。まだまだ車が好きというところまで来ていないけれども、少しずつだけれども、確実に前進している。遠距離を走るときも症状が軽くなっている。根気強く、車好きになるようにしていきたい。